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『海嘯』(田中芳樹・著)読了

13世紀後半の、中国・宋の時代。
太祖・趙匡胤が建国して以来300年、栄華を誇っていた大宋帝国も次第にほころびが見え始め、そんな中モンゴルの騎馬民族が建てた元が、フビライ・ハーンの号令いっか、宋討伐の大軍を起こす。
元軍は長江を越え、宋は都・杭州臨安府を開城し降伏を余儀なくされる。
しかし気概ある文官、武将たちは、幼帝をいただいて船で南下し、宋国再建を誓う。
消えゆこうとする宋帝国の動乱の中、時代の流れにあがない続け、あくまでも己を貫いた男たちの歴史群像物語。

という物語です。

先日の『紅塵』と違って、この『海嘯』はかなり読みやすいです。
氏独特の文体である、妙にかみくだいてわかりやすくしようとする面もなく、違和感なく読めます。
またボリュームもあって、物足りなさ感というものもないです。

「宋という国にはヒーローがたくさんいて、中国史の中でも一番面白い」

という内容のことを、以前田中芳樹氏が書いていたのを思い出して、最近は『楊家将』や『紅塵』などもそうですが、この「宋時代」の本をつづけて読んでみました。

宋という時代は、文官が武官を統制する「文治主義」というのが国の思想の根幹にあります。
現代の用語でいうと「文民統制」とか、いわゆる「シビリアンコントロール」というところでしょうか。
軍が強大化することにより争いが増え、平和が失われる…。
軍を統制することで平和を創ろうという国の考えにより、宋は何度も北から外敵に侵攻されますが、領土を縮小しながらも国を存続させていきます。
比較的平和な期間が長い時代であったから、庶民は日常生活での楽しみを見つけるゆとりが生まれた。
日本でいうと、ちょうど江戸時代みたいな感じでしょうか。
そんな中、演劇をつくるためにヒーローが必要になり、「楊家将」の楊一族の報われない忠臣の物語、岳飛をはじめとする「抗金名将」たちの物語、「水滸伝」で描かれた社会からはみだされた梁山泊の盗賊たちの国に捧げた義の物語、そして文天祥や張世傑らが活躍する宋末元初の物語と、それぞれヒーローもののストーリーが生まれたんではないかと思いました。
僕の勝っ手な推測ですけど。

ということで、この『海嘯』の評価は★★★★です。
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『紅塵』(田中芳樹・著)読了

12世紀半ばの中国。
中華帝国・宋は、北方の女真族が起こした強国・金に敗れ、広大な領土を失い屈辱的な平和条約を結びます。
ひとときの間、宋と金は表向き平和な時間を過ごします。
しかし、クーデターにより新たに金の国王となった、完顔亮は宋の侵略のために軍を発します。
その数、60万。
金の大軍を迎え撃つのは、「抗金名将」として名高い韓世忠の息子である韓子温と、宋の忠臣英傑たち。
長江を舞台に繰り広げられる宿命の戦いを描く歴史スペクタクル。

という物語です。
読み終えての感想は、とにかく「読みにくいなぁ」の一言です。
作者曰く「宋最高の名将」と称してやまない岳飛という武将がいるんですが、この本は岳飛の死後30年くらいたった時代の設定です。
主人公も、岳飛と同世代である韓世忠の息子・韓子温で、岳飛とは一世代後の人物です。
しかし、岳飛世代がよほど好きなのか、この本では岳飛や韓世忠といったいわゆる「抗金の名将」たちや、金の名将・兀朮との戦いを回想するシーンがたびたび出てきます。
そのたびに、時間が遡ったりまた時間が戻ったりするので、読み手としてはついていきにくい。
いっそ韓世忠を主人公に書いたほうが、すっきりして読みやすい気がしました。

ということで評価は、厳しいですが★★です。

『長江落日賦』 (田中芳樹・著)読了

またしても、田中芳樹氏の中国歴史ファンタジー小説を、ちょっと空いた時間に読もうと思い購入。
今回は一週間ほどかけて、少しずつ読了しました。

この『長江落日賦』は、全5話からなる短編集。

・第1話 『黒竜の城』
明の永楽帝の命を受け、東北辺境の地を鎮定するために派遣された亦失哈(イシハ)だが、黒竜江を越えた彼は未知の城を見出し、そこに住む不老不死の妖女に遭遇する。

・第2話 『天山の舞姫』
唐の玄宗皇帝の時代、サラセン帝国の動向を探るべく派遣された李炎は、 故郷長安を遠く離れたフェルガナの地で、超常の力を持つ舞姫・ゼノビアと運命の出会いを果たす。

・第3話 『長安妖月記』
唐代初期、人格が一変し未曾有の侵略戦争を企むようになった時の皇帝李世民。元老・李靖は、皇帝の豹変の裏に方師の暗躍がある事を知り、二人の武将を召集する…。

・第4話 『白日、斜めなり』
三国時代中期、魏より蜀に亡命した夏侯覇。魏・蜀両国で皇族として生きた彼の、数奇な後半生を描く。

・第5話 『長江落日賦』
南北朝時代後期、一族を殺され北魏より梁に亡命した将軍・侯景。彼は武帝を殺害し皇位を簒奪する。しかし梁の名将・羊侃の息子子鵬は、甲冑すら両断する宝剣を託され、侯景打倒へと動く。

短編集ということもあり、力むことなく自然に読むことができました。
三国志の中でも、そう重要人物としてとりあげられる事もないであろう、夏侯覇を主人公にした『白日、斜めなり』は、特に新鮮で面白かったです。
中国史にさほど詳しくない人でも、読んでみて面白いと感じることができる本かなと思いました。

難解と思われ敬遠されがちな中国史を題材にして、これほどまでに読みやすさとわかりやすさ、面白さが混在する本は、他にはなかなかないと思います。
ので評価は、★★★★★

『奔流』 (田中芳樹・著)読了

『中国武将列伝』を再読して、田中芳樹氏の本が読んでみたくなったので、ネットオークションで購入。

ページをめくってみると、田中氏独特の平易で魅力あふれる文章と、登場人物の多彩さに引き込まれ、一気に読み進めてしまいました。
一週間ぐらいかけて、ゆっくり読む予定だったんですが、あまりにも面白くて昨日一日で読み終えてしまいました。

内容としては、西暦500年初頭の中国。
後漢滅亡(西暦220年)の後、三国が鼎立したいわゆる「三国時代」も、司馬氏の建てた晋により約60年ぶりに中国は統一された。
しかし、晋の統治は長くは続かず、再び群雄が割拠し小国が乱立し、戦争の絶えない乱世の時代となる。
いわゆる北は「五胡十六国」が勃興し、南は「六朝」が入り乱れる、「南北朝時代」。

この『奔流』は、北朝の「北魏」と南朝の「梁」の激突を描く戦記物。
六世紀初頭、南北朝時代を舞台に、戦とその陰に散った男装の麗人との悲恋を描く、エンタテイメント歴史小説とでもいえましょうか。

中国史上、屈指の南北大会戦として名高い「鐘離の戦い」。
南の梁国征服を目論み、北の魏は80万の大軍勢で攻め寄せる。
魏の皇帝の命を受け大軍を率いるのは、皇族である英傑、中山王・元英。
麾下には、勇壮無比の武将、楊大眼。
対する南の梁は20万。
当時中国一の智将とうたわれた韋叡、猛将として知られた曹景宋などが迎え撃つ。
主人公である若き天才将軍・陳慶之は白い騎兵隊を率いて、縦横無尽に駆けめぐり、魏の大軍を翻弄する。
後に陳慶之は「戦えば勝ち、攻めれば取る」と、不敗の名将と称えられることになるが、このときはまだ無名の将軍に過ぎなかった。

ということで、不敗の名将・陳慶之にまつわる戦と、その陰に散った男装の麗人との悲恋を描く歴史物語小説です。
名将というわりには『中国武将列伝』には、陳慶之の名は登場しませんが…。
この時代を描いた小説は少なく貴重であり、読みやすく面白かったので、評価は★★★★

『中国武将列伝』 (田中芳樹・著)再読了

少し時間ができたので、ふと
「中国の歴史の全体の流れを復習してみようかな」
と思い、『中国武将列伝』(上下巻/田中芳樹・著)という本を読んでみました。

田中芳樹といえば、おそらく最も有名な著作が『銀河英雄伝説』だと思います。
未来の宇宙を舞台にした壮大なSF小説。
銀河の統一を目指す「帝国軍」の若き元帥・ラインハルトと、それを阻止するためにヤン・ウェンリー率いる「自由惑星同盟軍」が熾烈な戦いを繰り広げます。
DVDでしか観ていませんが、個性豊かな人物がおおく登場し、緻密な設定で観ていてなかなか面白い作品だと思いました。

で、話しはもどって、この『中国武将列伝』は10数年前に出版されたもので、僕もその当時に本屋で偶然見かけ、当時は単行本しかなかったのですが、つい衝動買いしてしまった本。
読んでみると、話し言葉風のやわらかい文章で、99人の名将達を簡単に紹介しながら、中国の歴史の流れをおおざっぱですがわかりやすく説明していて、

「中国の歴史の全体を知るにはこれ以上の入門書はないでしょう」

と、思いました。

ということで、今回は再読ということになります。

この10年ぐらいの間に、宮城谷小説ばかり読んできたので、「三国時代」以前の歴史については少しわかるようにはなってきたのですが、それ以降の歴史は『隋唐演義』や『岳飛伝』(ともに田中芳樹・著)、『十八史略』(陳舜臣・著)、『水滸伝』(マンガ/横山光輝・著)ぐらいしか読んだことがなく、五胡十六国や南北朝、五代という時代の知識がいまだに皆無。
そんな僕にとって、この『中国武将列伝』は、歴史事象の知識の空白期間をすこしでも補うことのできる良著ですね。

以下に登場人物を時代別に記載します。



春秋時代孫武そんぶ伍子胥ごししょ(名はうん)、范蠡はんれい趙襄子ちょうじょうし(名は無恤ぶじゅつ
戦国時代呉起ごき孫臏そんぴん楽毅がくき田単でんたん廉頗れんぱ趙奢ちょうしゃ信陵君しんりょうくん(名は無忌むき)、李牧りぼく
時代…白起はくき王翦おうせん蒙恬もうてん
漢楚争覇時代…項羽こうう(名はせき)、張良ちょうりょう韓信かんしん
前漢時代…周亜夫しゅうあふ李広りこう衛青えいせい霍去病かくきょへい趙充国ちょうじゅうこく鄭吉ていきつ陳湯ちんとう
後漢時代…禹とうう馮異ふうい岑彭しんぼう馬援ばえん班超はんちょう曹操そうそう関羽かんう周瑜しゅうゆ
三国時代…司馬懿しばい陸遜りくそん艾とうがい
東西両晋時代…杜預とよ王濬おうしゅん陶侃とうかん祖逖そてき謝玄しゃげん
南北朝時代…檀道済だんどうせい韋叡いえい楊大眼ようたいがん斛律光こくりつこう高長恭こうちょうきょう蘭陵王らんりょうおうの名で有名)、蕭摩訶しょうまか
時代…韓擒虎かんきんこ劉方りゅうほう張須陀ちょうすだ
時代…李靖りせい李勣りせき秦淑宝しんしゅくほう(名はけい)、尉遅敬徳うつちけいとく(名はきょう)、蘇定方そていほう(名は烈)、
      薛仁貴せつじんき(名は礼)、王玄策おうげんさく裴行倹はいこうけん高仙芝こうせんし郭子儀かくしぎ李愬りそ(父は李晟りせい)、李克用りこくよう
五代十国時代…王彦章おうげんしょう周徳威しゅうとくい
時代…曹彬そうひん楊業ようぎょう耶律休哥やりつきゅうか穆桂英ぼくけいえい狄青てきせい宗沢そうたく岳飛がくひ韓世忠かんせいちゅう
          宗弼そうひつ(女真名は兀朮ウジュ)、虞允文ぐいんぶん孟珙もうきょう完顔陳和尚かんがんちんわしょう張世傑ちょうせいけつ
時代…伯顔バヤン郭侃かくかん擴廓帖木児ココ・テムル
時代…徐達じょたつ常遇春じょうぐうしゅん姚広孝ようこうこう(法名は道衍どうえん)、鄭和ていわ于謙うけん王守仁おうしゅじん(号は陽明)、
      戚継光せきけいこう袁崇煥えんすうかん秦良玉しんりょうぎょく(女性)、鄭成功ていせいこう
時代…多爾袞ドルゴン明亮ミンリャン楊遇春ようぐうしゅん李長庚りちょうこう関天培かんてんばい僧格林沁センゲリンチン李秀成りしゅうせい(太平天国)、
      石達開せきたつかい(太平天国)、劉永福りゅうえいふく




ほかにも何かとログしときます。

◆選考に漏れた名将たち
 春秋戦国…司馬穣苴
 後漢…呉漢、竇固
 晋…羊祜
 南北…于栗ケイ(北魏)、曹景宗(宋)、宇文泰(于謹、李弼、田弘、韋叔裕)、張虵(前秦)
 隋…楊素、高熲、沈光
 唐…李晟、王式、劉仁軌、李光弼、張巡
 宋…包拯、劉、呉玠・呉璘兄弟、辛棄疾、文天祥、李顕忠
 金…宗望
 明…李文忠、曽銑、史可法
 清…阿桂、岳鎮、羅思挙、策稜、楊芳

◆帝王となった名将たち
 後漢・光武帝(劉秀)、南朝宋・武帝(劉裕)、唐・太宗(李世民)五代後唐荘宗(李存勗)
 後周世宗(柴栄)太祖(趙匡胤)、元・世祖(フビライ)、金・太祖(阿骨打)
 明・太祖洪武帝(朱元璋)、明・成祖永楽帝(朱棣)、清・太祖(ヌルハチ)、清・聖祖康熙帝

◆文官としての功績が大きい名将たち
 斉・管仲、斉・晏嬰、趙・藺相如、秦・李斯、前漢・陳平、前漢・蕭何、後漢・寇恂、蜀漢・諸葛亮
 前秦・王猛、南朝宋・劉穆之、北魏・任城王、隋・高穎、唐・杜如晦、唐・房玄齢、唐・魏徴
 宋・趙普、宋・韓、宋・范仲淹、宋・文天祥、宋・陸秀夫、遼・耶律隆運、金・宗幹、
 蒙古・耶律楚材、元・劉秉忠、元・脱脱(トクト)、明・李善長、明・劉基、清・林則徐、清・左宗棠

◆読んでみたくなった書籍
 『孫子』(海音寺潮五郎・著)
 『異域の人』(井上靖・著)
 『東周英雄伝』(鄭和・著)
 『長江落日賦』(田中芳樹・著)
 『桃花源奇譚』(井上裕美子・著)
 『飛竜伝』
 『万花楼演義』
 『白蛇伝』
 『運命』(幸田露伴・著)
 『中国が海を支配したとき』

◆参考になったサイト
枕流亭~中国史人物事典
中華名将録
京都を感じる日々★古今往来Part1・・・京都非観光名所案内

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