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『真説宮本武蔵』(司馬遼太郎・著)読了

 またしても司馬小説を読んでみました。『真説宮本武蔵』、文庫本一冊という量にただ読みやすそうだなと思って、ヤフオクで購入。

 “宮本武蔵”というと、二天一流を編みだし、巌流島の戦いで佐々木小次郎を倒し、生涯60余戦無敗を誇る──戦国末期から江戸初期にかけての伝説的な剣豪であり、「五輪書」という兵法書を著した兵法家。また文学や画にも才能があった芸術家でもある、というのが今までぼくの持っていた、宮本武蔵像です。

 が、この『真説宮本武蔵』を読んでイメージが少し変わりました。というのも、日本人がもっている宮本武蔵の人物像や戦歴というものは、武蔵の養子である伊織が書いた『小倉碑文』という書を参考にして書いている場合が多く、必然的に武蔵びいきに物語が進められていきます。ですが、この本では武蔵と同時代に生き、130歳まで生きたという渡辺幸庵という人の話をもとに書かれた『渡辺幸庵対話』という書を資料にして書かれているだけあって、客観的に描かれていると思います。まっ、そもそも渡辺幸庵自身が本当に存在していたのか、130歳まで生きたというのは疑念を持ちますが……。

 本書には、この「真説宮本武蔵」のほかに、「京の剣客」「千葉周作」「上総の剣客」「越後の刀」「奇妙な剣客」の剣豪もの物語6編を収録。個人的には、武蔵とも対決した京の名門兵法家、“吉岡憲法”こと吉岡家四代直綱を描いた「京の剣客」、幕末に北辰一刀流という新しい流派をつくり、晩年は水戸家に仕えた剣豪の生涯を描いた「千葉周作」は必読だと思います。

 司馬小説にしては珍しいですが、武蔵がそれほどでもなかったので評価は、★★★★☆です。
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『最後の将軍―徳川慶喜』(司馬遼太郎・著)読了

 『最後の将軍―徳川慶喜』。

 司馬遼小説の代表作で、『竜馬がゆく』や『燃えよ剣』とならんで幕末を描いた有名な作品ということは知っていたのですが、文庫本一冊、300ページに満たない薄い本だとは思いませんでした。

 しかし読んでみると内容は重厚で、とてもおもしろい。幕末の動乱の時期。佐幕や倒幕、攘夷や開国といった強烈なエネルギーが凝縮された時代に、政治の情勢はとても不安定で、時勢はどうなっていくかわからない。そんな状況にあって、政治治感覚にとても機微な慶喜は、さまざまな悩みや葛藤の末「大政奉還」という前代未聞の決断を下す。この本ではそれまでのいきさつや、徳川慶喜という人間像が実にいきいきと描写されています。
 ぼくは今まで、あの時代にどうして幕府は倒れてしまったのか、いまいちわかりませんでした。

“天領400万石、旗本8万騎……”

 とうたわれるように、直轄地だけでも薩摩・長州・土佐・肥前が束になってかかってもかなわないような豊かな領地を持ち、さらには御三家や御一門といった親藩や、おおくの譜代大名までいる。軍隊にしても、洋式に訓練された陸軍数万に、軍艦十数隻からなる当時日本最強の海軍をもつ。なので、

──どう考えても、戦争で負けることはないはず

 と考えていました。

 たしかに桂小五郎や西郷吉之助、大久保一蔵に匹敵する人材がいないにしても、幕府にも勝海舟や小栗上野介といった俊才は多くいる。またたとえ長州征伐に失敗したといっても、幕府にとってはアウェーで一敗しただけで、大阪城で籠城するとか、東征する新政府軍をどこかで待ち伏せするとか、戦術的に残された選択肢は少なくはないし、やりようはあったはず。

 それなのになぜ幕府は倒されてしまったのか……。

 すべては、水戸家に生まれ、政治感覚が鋭すぎる徳川慶喜という人が将軍になったからなんだと読んでわかりました。

 水戸家は将軍の親戚でありながら、将軍家よりも天皇を崇拝するという思想をもつ特殊な家です。また独自の歴史観があり、“足利尊氏は賊軍”という考え方が水戸家にはありました。そんな水戸家に生まれた慶喜にとって、自分が朝敵として後生の歴史に名を残すことは、何が何でも避けなければいけない。時代の流れを読むことに長け、英明な将軍であればこその歴史的な判断が、「大政奉還」であったんだと気づかされました。

 もちろん評価は、★★★★★です。

『王城の護衛者』(司馬遼太郎・著)読了

 宮城谷昌光氏の小説はすべて読み尽くしたので、久しぶりに司馬遼太郎氏の小説を読んでみました。

 今回読んだのは『王城の護衛者』という作品。激動の時代といっていい、幕末に活躍した偉人たちを描いた、五編からなる中編小説集です。

「王城の護衛者」
 京都守護職を拝命し、志士たちが跋扈する京の街の治安を任されることとなった、会津藩の青年藩主・松平容保(かたもり)。藩祖の家訓にしたがい、主家に対する忠義をあくまでも貫くが、将軍・徳川慶喜には見捨てられ、時代の悲劇に飲み込まれていく。

「加茂の水」
 岩倉具視の謀臣として数々の討幕運動をかげで立案した、近江国の老僧・玉松操の半生。

「英雄児」
 戊辰戦争(北越戦争)で、官軍をたびたび苦しめた越後長岡藩。藩の財政を立て直し、当時としては最新鋭の武器を装備し、官軍との戦いでは先頭に立って戦い散った家老・河井継之助の生涯を描く。

「鬼謀の人」
 政変に敗れ、幕府との戦いにも破れ、凋落し続ける長州藩に突如としてあらわれた軍略の天才・大村益次郎。彼の指揮する軍は連戦連勝し、ついに幕府は倒されることとなるが……。

「人斬り以蔵」
 幕末の京都に“人斬り”として恐れられた、岡田以蔵。土佐の下級武士階級に生まれ、学問のできない彼には、剣でしか生きる道がなかった。土佐の剣豪・武市半平太の門をくぐり、剣の腕をあげていく。しかし、彼の剣はただ人を斬るためだけにあり、自制のきかなくなった以蔵は、師である武市にも見捨てられ悲しい最期を迎えることとなる。

 どの作品も、登場人物が目の前にあらわれるのではないかというぐらい、生き生きと描かれています。読み終えるとなぜか、さわやかな風が吹きぬけたかのような、そんな気持ちにさせてくれる心地よい物語ばかりです。司馬遼作品を、これから続けて読んでいくつもりです。

 もちろん評価は、★★★★★です。

『重耳(上・中・下巻)』(宮城谷昌光・著)再読了

 宮城谷さんの小説にはじめて触れたのが、たぶんいまから10年くらい前。本屋でたまたま見かけて買った『孟嘗君(もうしょうくん)』(全五巻)があまりにも面白くて、ついつい引き込まれて一気に読んでしまった記憶があります。

──こんなに面白い小説があるとは。

 と、この小説に出会って以来、次から次へと宮城谷さんの歴史小説を読むことになったのですが、この『重耳(ちょうじ)』は『孟嘗君』の次に読んだ本だと記憶しています。ということで、かれこれ2,3度『重耳』は読んだのですが、またまた再読しました。時間が空けば『重耳』を読む……というぐらい、僕はこの小説が大好きなんです。

 重耳とは(ちょうじ)と読み、古代中国の春秋(しゅんじゅう)時代に存在した、晋(しん)という国の君主です。当時の中国は、中央に周(しゅう)という国があって、その周辺に諸侯と呼ばれる小さな国が乱立している時代です。といっても、周の統治能力は時代とともに衰微してきて、名誉職的なものになりつつあり、権力は周辺の諸侯に移りつつある時代。日本でいうと、中央に足利幕府がありながら各地には守護大名が各国を統治しており、足利氏の支配が京の周辺のみとなっていた室町時代中期以降とよく似ている感じです。

 そんな乱世の到来をつげる時代に、晋の第二公子として重耳は生まれます。そう、この公子(こうし)という字の響きがたぶん僕は大好きなんです。王子というほどおこがましくもなく、しかし気風と威厳と格式と美貌と秀麗さと上品さと若さを合わせもったようなこのコトバ。日本ではあまりというか、ほぼ皆無ですし。しいてあげるならば、伊達公子ぐらいですか。

 話をもどして……。

 公子として生まれた重耳ですが、順風な人生は送れません。晋君である父の後妻として入った継母にうとまれ、親孝行で名声のある兄と利口な弟にはさまれるかたちで兄弟の中では一番地味で配下には有力な家の者はつかず、後継者争いの陰謀に巻き込まれ40歳を超えた頃に国を出ていくはめになり、以来各国を放浪。食料はつき、命は狙われ、他国の君主からは冷遇された艱難辛苦な旅を繰り返し、60歳を超えた頃にようやく帰還して晋の君主となり、春秋時代を代表する君主の一人となる物語を描いた長編歴史小説です。

 大きな苦労をして、大きな成功をつかみ取るという、人生の教訓譚のような物語ですが、そんな道徳的な内容を一切抜きにしてもこの小説はすばらしいできだと思います。

 重耳を描くために晋国の起こった歴史から書き始め、晋国内の内乱の勃発した事由である祖父の祖父である成師(せいし)を描き、祖父である称(しょう)を描き、そして重耳と同時代に活躍した名門出身の配下たちと、各国の英明な君主たちと、この時代に生きた人たちがダイナミックに描かれています。

 辺鄙な位置にあり、弱小国であった晋という国がどうして強くなったのか。重耳がどうして覇者となれたのか。重耳の死後、強大になってはいくものの、権力は臣下の大臣が握り次第に衰退していく晋ですが、この小説を読むと、晋のもっともよかった時代に触れることができます。

 もちろん評価は、★★★★★です。

『三国志(第2巻)』(宮城谷昌光・著)読了

 最近は時間があまりなくてなかなか読めませんでしたが、宮城谷版『三国志〈第2巻〉』ようやく読み終えることができました。

 1巻もそうでしたが、なかなか知っている人が登場してくれなくて……。「三国志」を読んでいるというよりむしろ、「後漢書」を読んでいるという感はずっと否めずにいながら読み進めていきました。

 2巻の概要ですが…

 質帝(10代皇帝)~桓帝(11代皇帝)の梁太后執政から、“党錮の禁”を経て“黄巾の乱”までのできごとが描かれています。

 相変わらず、皇后(皇帝の后)や皇太后(前皇帝の后)の実家である外戚一族と、皇帝の近臣であるはずの宦官と間で政争が繰り返され、その都度外戚一族は政争に敗れ消えていきます。即位した皇帝は凡庸な人物。宦官たちは皇帝をいい操り人形とし、自分たちの好き勝手なままに政治を行います。

 政治能力の低い宦官たちが行う国の政治を憂う当時の知識人たちは、皇帝に対して国の実情を訴え変革を促します。しかし、悪賢い宦官たちは、皇帝には自分たちにとって都合の悪い真実は伝えず、知識人たちの進言には讒言をもってことごとく封じ、知識人たちを次々と獄に送ります。

 そんな乱れた政治の続く後漢王朝。いよいよ三国時代の英雄たちが産声を上げます。155年に曹操、翌年に孫堅、161年に劉備と、三国志の前半期を彩る男たちが誕生します。いよいよだ、うれしー!

 廬植の門下生となるものの、まだきわだった輝きを放つことのない劉備。

 若くして海賊退治という武勇伝を引っ提げて官職に就き、黄巾賊討伐に向かう孫堅。

 そして、主人公格の曹操。利発な悪ガキ少年時代から、宦官の孫というコンプレックスに悩む青年時代を経て、才覚を高官に見いだされて官途に就くも、一度郷里へと戻り引きこもり。再度、中央の役職に就いたところで、時代は黄巾の波に襲われ、彼は騎兵隊を率い賊の討伐に向かうというところまで。

 大好きな曹操がかなり魅力的に書かれていて、それだけで読みやすいです。なぜか、悪役の代表として描かれることの多い董卓まで魅力的に書かれているのは違和感がありますが、歴史書をかなり熟読して小説を組み立てていく宮城谷さんのことやから、こちらの方がより真実に近いのかも。

 凡庸な皇帝と悪辣な宦官たちが行う不公平な政治に対して、国を憂い民を思うことで自身の命を顧みることなく進言をし続ける、勇気ある文官たち。外敵からの侵略、国内の反乱軍に対して、臆することなく戦い勝利を収めていく将軍たち。後漢の時代にも多くの賢臣、名将たちが存在していたんだと初めて知りましたね。

次巻以降も楽しみです。

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